ストレスを考える
ストレスってなに?
ストレスって何でしょう?
心理学では
心身への物理的、心理的、社会的な刺激のことを ストレッサー とよんでいて
そのストレッサーに順応、適応しようとする反応のことを ストレス と言います。
ストレスというものがすべて良くないものか、、と言ったら、実はそうでもなくて
適度な運動とか緊張は、交感神経を活性化して爽快感やワクワク・ドキドキ感をもたら
してくれたりします。
(これを「快ストレス」と言います)
たとえば、学校で明日プールの授業があるとします。
担任の先生からそのことを聞いて大喜びする子供もいれば、「いやだなぁ、、」と顔を
しかめる子供もいますよネ。
「明日はプール」という先生の連絡(ストレッサー・刺激)に対して
大喜びしている子供たちは、ワクワク・ドキドキする楽しい反応(快ストレス)をし、
顔をしかめている子供たちは、嫌だ・恐い・・という反応(不快ストレス)をしています。
このように同じストレッサーでも、反応(ストレス)は個人差があるのです。
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ストレスには個人差がある
普段、私たちがストレスと呼んでいるものは
刺激(ストレッサー)に対する不快な反応(不快ストレス)のことを指します。
・明日の会議のことを考えると、ストレスで胃が痛くなる。
・毎日同じことの繰り返しで、ストレスがたまる。
・いやなことがずっと続いていて、ストレスで夜眠れない。
・・など。
状況が変わって、ストレスが減っていけばよいのですが
ストレスの量がずっと減らないままで時間が長くたってしまうと
悲観的な感情ばかりが意識を占めて、
現実を見ることができなくなってしまったりします。
「もう駄目だ」「上手くいきっこない」「出口なんてない」・・と思いつめて、
その状態から這い出すことがなかなか難しくなってしまったりします。
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さて、前の項でもお話しましたが、ストレスには個人差があります。
同じ状況(刺激)なのにも関わらず、どうして個人差があるのか?
それは、ストレスには刺激(ストレッサー)だけではなく、いろんな要因が関わっている
からなのです。
まずは、身体の抵抗力
ろくな食事もとらずいつも貧血状態の人や、おなかが痛くて苦しんでるときなどは
健康な人に比べて刺激(ストレッサー)への感じ方が違ってきたりします。
(すべての人がそうなわけではありませんが、、^^;)
そして、価値観や人生観
その人の物事の捉え方や考え方で、刺激の不快度が異なってきたりします。
たとえば、製品のことでお客様から苦情を言われてしまったとき
『確かにおっしゃる通り。以後気をつけよう。
それに、いつも顔を合わせる人じゃないし、自分自身が批判されたわけじゃないし』
と、さらっと受け流せる人もいれば
『何もそんな剣幕で言わなくったって、、。なんだか自分のことを非難されているようで
ショック!』
と、自分のことを言われていると感じて悲観的に受け取ってしまう人もいたりします。
お客様にしてみれば、同じことを同じ思いで同じように伝えているのに、
受け取り手の違いで、伝わり方も違ってきてしまうのです。
では、ストレスをなるべく感じないようにすることはできるのでしょうか?
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刺激(ストレッサー)について考えてみよう
あなたをここまで追い詰めているもの。
それはいったいどんなものでしょうか?
「正体不明の相手」に対して打つ手を考えようと思っても、なかなか上手くはいかない
ようです(^^;
何とかするには、まず「相手」(ストレッサー)が何であるのか?を知ることが必要です。
何のどんなことで、あなたは不快になっているのでしょうか?
追い詰められて辛い時は、自分の辛い感情ばかりに気がいって
なかなか現実の刺激(ストレッサー)に対してどうしていくべきか、、という視点を持てな
かったりします。
「何の」、、というとことろは、漠然と分かっていても
「どんなことで」、、という部分がはっきりしてなかったりもします。
『いいえ、ちゃんと分かっています』
と言う人もいるでしょう。
ただ、本当にそうなのか? と検証していくと、意外に思っていたこととは違っていた・・・
という場合もあるのです。
思い込みで「相手」(ストレッサー)を捉えていないかどうか。
自分にとって嫌だと感じるところはどこなのか。
本当はそこではなくて、別の部分にストレスを感じるものがあるのではないか・・
「相手」(ストレッサー)を客観的に観察することで
ではこれからどうしていくべきか、、という打つ手を考えることもできるのです。
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考え方、捉え方のクセを知ろう
人間誰にでも「思い込み」をするときはあると思います(^-^)
そのときの状況、体調、今までの出来事、、その他もろもろが影響して
その人独特の「考え方、捉え方のクセ」を持っているものです。
今までお話してきた刺激(ストレッサー)とストレスの関係でも
この考え方、捉え方のクセを知ることが、打つ手を考える大きな手段の一つになったり
します。
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何か事が起こったときに、反射的に浮かぶ考えや思いを
自動思考 と言います。
この自動思考が、現実にマッチするものであればいいのですが
人間には先ほどお話した「考え方、捉え方のクセ」があります。
この「クセ」は、サングラスをかけたときのように
現実を見る目、感じる心に色つきのフィルターをかけてしまったりもします。
では、ストレスに関係する「考え方、捉え方のクセ」にはどんなものがあるのでしょうか。
★全か無か思考(白か黒か思考)
ほんの一か所のミスで、すべて終わりだ、、と思ってしまう。
★一般化のしすぎ
またやってしまった、いつも失敗ばかりだ。
あの人はいつも自分に嫌なことばかりする。
★~べき思考
これはこうすべきなんだ。
こんなことは思ってはいけないんだ。
絶対そうに違いない。
★好き嫌いで決めつける
あいつは嫌なヤツだから、駄目なことしかしない、言わない。
あの人とはウマが合わないから、仕事もうまくいきっこない。
★根拠のない読心
あの人は私の思っていることを知っていたはずなのに、、(具体的に伝えていなくても)
あの人は私のことを嫌っているに違いない。(確証は何もないのに)
★悲観的な予測
きっと失敗する、上手くいかないに決まっている、、と根拠もなく不安になる。
★プラスの否認
相手が褒めてくれたり認めてくれても、自分で快く受け入れられない。
(いつか自尊心が傷つかないようにするための防衛反応のこともある)
などなど。。
誰にでもある思い込み、考え方、捉え方のクセです(^-^)
さぁ、あなたはどのクセを持っていますか?
そして、どんなときにこのクセが起こりますか?
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認知を変えていこう
何か事が起こったときに反射的に『自動思考』が浮かんできて
その思考によって沸き起こる感情も変わってきます。
その自動思考には、その人の持っている『考え方、捉え方のクセ』がとても影響して
います。
そのクセを客観的に自分で検証したりすることで
現実的な考え方に自分の思考を変えていくことができれば
沸き起こっていた感情も、また変化していきます。
このような作業を行っていく療法のことを
認知療法 と言います。
たとえば毎日の出来事と思ったことなどを 日記 に書いてみたりするのも
自分の認知(物事の捉え方)のパターンを知る効果的な方法のひとつです。
後で冷静になれたときに読み返してみることで
自分がどんなときにどんな自動思考を持つのかだんだんわかってきたりします。
また、カウンセリングで使う 記録表 を使うのもいいと思います。
・状況
・自動思考 (そのときにどんな考え、思いが浮かんだか。その確信は何%くらい?)
・感情 (どんな気持ち? 最悪の時を100%としたら、何%くらい?)
・自動思考の証拠 (正しいとすれば、その証拠は?)
・反証 (本当にそうなのか? 自動思考が間違っているとしたらその根拠は? )
・適応的反応 (自動思考に代わる、適応的な反応を考えてみる)
・結果 (今までの作業で、自動思考の確信は何%くらいになったか? 感情は何%
くらいになったか? )
・行動 (同じようなことがまた起こったら、今度はどうしてみるか?)
この表をもとに、クライエントさんが自分のことを客観的に検証し認知を現実にそった
ものに変えていけるよう
カウンセラーも一緒に考えていきます。
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このように、認知を変えることで感情を変えていく方法のことを
『トップ・ダウン・アプローチ』と言います。
考える脳(大脳)の中の前頭葉を用いて、感じる脳(扁桃体)の興奮を鎮め
感情や行動を変えていく・・という方法です。
ただ、一番最初の項で例に出した『プール』に対する恐怖感があるような場合には、
認知を変えて感情を変えていく方法よりも
恐怖の原因となった出来事を思い起こして、そこから感情を変え認知を現実にあうもの
に変えていく方法のほうが、効果があることが分かってきています。
この方法のことを『ボトム・アップ・アプローチ』と言います。
この方法については、また別のところでご紹介したいと思います(^-^)