心の中の子供

 

 赤ちゃんの心





人は赤ちゃんとして生まれてきます。

世の中のことをまだ何も知らないで、無垢な心のままで生まれてきた赤ちゃんは
たくさんの出来事に出会って、いろんなことを体験して
いろんなことを感じながら
成長し、やがて大人になっていきます。


人生は嬉しいこと、楽しいこと、幸せに感じることばかりではなくて
悲しいことや悔しいこと、辛いことにも出会ってしまいます。

純情無垢、真白な心で生まれてきた赤ちゃんの心は
そんな出来事で心が壊れてしまわないように
少しずつ色や形を変えながら、大人の心に変わっていくのでしょう。


息子の三ヶ月検診のときに小児科医の先生がおっしゃった

『こんなにきれいな瞳でいられるのは、今のこの時期までなんですよネ』

という言葉を時々思い出します(^-^)




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大人になるにつれて、自分の思うようにはいかない現実も
だんだん見えてきたりします。
素直に楽しんだり喜んだり、感動したりしたくても
いろんなしがらみで出来ないこともたくさんあったりします。

自分の気持ちに蓋をして
自分のまわりの在り方に合わせないとやっていけないことも
やっぱりあるのです。


「大人の心になる」というのは
だんだんと「子供の心」がなくなっていくことを言うのでしょうか?




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内なる子供 (インナーチャイルド)


パステルアートを何年かやっていると
参加者の方の描くアートの中に
『子供の姿』や『子供時代を感じさせる物や風景』

が出てくることがあります。

生き辛さを感じていた人が
その頃から少しずつ自分自身と向き合い
自分の足で良い方向へ歩いていきたい…という気持ちに変わっていくのを
何度も見てきました。




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人の心の中には、内なる子供(インナーチャイルド)が住んでいるといわれています。

世の中を生きていくのに大人の心は色や形を変えていきます。
でも、そんな大人の心の中にも
子供の自分が住んでいるのです。


子供の頃の悲しかったり辛かったりした出来事で
心に傷が残り、癒されることのないまま過ぎていくと


インナーチャイルドが悲しみや辛さを抱えたまま
私たちは大人になっていきます。

そして、長い年月を重ねていく間に
インナーチャイルドの存在は無意識の中へ追いやられ
いつの間にか思い出すことすらしなくなってしまいます。



気づいてもらえないインナーチャイルドは
ずっと心の中でひざを抱えて孤独に耐えていたり
悲しいと泣いていたり
怒りを我慢し続けているのかもしれません。


これといった理由や原因がないのに
生き辛さを感じている人のインナーチャイルドは

『悲しいよ』 『苦しいよ』 『本当は怒ってるんだよ』

と言っているのかもしれないのです。




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潜在意識という存在


ヒプノセラピー
という心理療法があります。


ヒプノセラピーで扱うのは
顕在意識の奥にある
潜在意識
(いつもは感じない無意識) というもので
『無限の力がある』『内なる神』ともよばれています。
自分のことをいつも愛し守ってくれ
今の自分にとって良くないことはしないように守ってくれる存在なのだそうです。


顕在意識(いつも感じている意識)では
「頑張ろう」「やってみよう」と思う自分がいるのだけれど、
なぜか心にもやもやするものがあったりしてしまう…

それは潜在意識が「自信が持てない」とか「怖い」とかの心を作り出して
自分にストップをかけようとしているからなのだそうです。

多くの人はその心のもやもや、、という感覚(感情)の奥にある
「自信が持てない」「怖い」という感情、心に気づかないまま頑張ろうとして
わけのわからないもやもやするものを感じたりするのだそうです。



ではなぜ潜在意識は、ストップをかけようとするのでしょうか?


それは、頑張ることのほうが今の状態よりもうんとストレスがかかるからです。
その大きなストレスから今の自分を守ろうとするのです。
でも、
それではこれから頑張ろうと思っても頑張っていくことができなくなってしまいますよね。

だから…

潜在意識は
頑張ろうと思っても頑張れない理由があるよ
と教えてくれているのだそうです。

大切なのは
頑張れない理由はなんなのか、なぜ頑張ろうと思うのか
に目を向けて、考えたり悩んだりすること。
自分と向き合って対話をしていくことで本当の自分の感情を見つけ
自分というものをちゃんと感じて自信を取り戻していくこと…

そういうことを教えてくれているのだそうです。


 ※参考文献: 小瀬村 真弓さん 『ヒプノセラピー 自分の感情をみる練習』(アルマット)




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インナーチャイルドに会いに行こう





潜在意識を扱う ヒプノセラピー
mineで行っている パステルアートセラピー
同じように自分との対話の中で何かに気づいて
そこから自分が変わっていきます。




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私は、子どもの頃の母とのことを
顕在意識では「なんとも思っていない」「もうぜんぜん大丈夫」
と思っていました。

なのに、なぜか何も理由がないのに心の中に寂しさとか苦しさを
ふと感じることがありました。
そんな気持ちは誰かと一緒にいるときにも起こって
自分は人との間に壁を作ってしまうダメな人間かもしれないと思っていました。


カウンセリングを受け 感情には間違いはないんだ… ということを知り
パステルアートセラピーに出会い、絵の中に 自分の心の中 や インナーチャイルド が出てきて

自分との対話をすることができたとき


なぜ自分がこんなふうに感じて人と心からくったくなく接することができないのか
わかったような気がしました。

今まで、なぜなんだろう、どうしたら消せるんだろうと否定していた感情を
素直に受け入れることができました。


涙がこれでもかというくらい流れ、体が震え、胸が苦しくなって
そしてそれらがなくなったとき
「今の自分でいいんだ」と思えるようになりました。


そして心の中の『子供の自分』(インナーチャイルド)に
パステルの粉で
いろんな景色をたくさん見せてあげたいと思いました。
どこまでも続く真っ青な空や、輝く太陽の光、清々しい草原の匂いを
感じさせてあげたいと思いました。





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今なにかもやもやするものが心にあっても
苦しくなければ、それはそっとしておくのがいいのだと
私は思います。


でも、もしも苦しかったら
そのことが原因で、いつも同じところをぐるぐる回って抜け出せずにいるなら

自分の心に静かに問い掛けてみる時間を作って
心の中にいるインナーチャイルドに会いに行ってみてはいかかでしょうか。


インナーチャイルドに笑顔が戻っていくことで
今の自分を受け入れることができるようになったり
少しずつ元気になっていけたりすること


が、確かにあるのです(^-^)